生活living
知っておきたいアメリカ暮らしのマナー
パーティー、冠婚葬祭、ホリデー
アメリカのマナー&エチケット
自由の国という印象が強いアメリカ。しかし、実際に住んでみると、民族性・宗教・文化などによってマナーとして受け入れられないこと、異なった考えや意見などの相違が浮き彫りになってくる場面が多々ある。
ただ、その反面多民族国家であるため、お互い許容し合い、理解していくという大らかな精神を持つ人が多いのもアメリカの特徴でもある。同じアメリカでも広く、地域によっても異なるが「人種のサラダボウル」と呼ばれるニューヨークやロサンゼルスなどは特に、こうした相互理解を持って生活する人が多い。自らがアイデンティティとして守るべき伝統的な習慣や文化を敬いながら、日々生活することが多民族国家でより良い生活を送るための賢い方法ともいえる。
一般的にタブーと言われている話題は宗教的、身体に関わること、性的なことなど。個人的なことを聞くことは避ける。相手がどんなにフレンドリーに接してきたとしても、会話の内容には気をつけなければならない。
話しやすい話題
- 天気・話題のニュース
- 趣味(映画・本、音楽など)
- 家族・ペットのこと
- 仕事
- 出身校・出身地
- 住んでいる場所
避けたい話題(特に初対面)
- 病気・手術・セラピー
- 体重
- 結婚・妊娠・不妊・子供の有無
- 障害
- 家族の死
- 収入・お金・値段
- 政治
- 年齢
- 捕鯨問題
- 人種
- 性的・同性愛
【挨拶と礼儀】
日本人らしく挨拶は礼儀正しく丁寧にを心がけると好印象を与えることができる。「Thank you」「Please」「Excuse me」は基本ワード。そして必ず、「Thank you」と言われたら「You are Welcome」を忘れずに。お店、レストラン、ストリートなど公共の場で見ず知らずの人と接する際にもこの言葉をかけるようにすると良い。人とぶつかった時、咳・くしゃみをした時、レストランでサービスを受けた時などに一声をかける習慣を身につけるように心がけたい。また、他人を褒めることも忘れずに。日本人同士では夫婦でも褒めることが習慣化されていないために、褒められた時の謙遜が行き過ぎて、自分や身内の家族のことを貶してしまうことはしないようにする。褒め上手と褒められ上手になることが円滑にコミュニケーションができるコツでもある。
【しぐさや癖】
相手の目をまっすぐ見ることは大切。日本人は相手の目を見ずに視線を逸らせてしまったり、伏し目がちになるので気をつけなければならない。視線を逸らされると、何かやましいことがあるのではと、アメリカ人には不快に思われる。
また、落胆した時や困惑した時など、日本人はよく照れ笑いをする。特に若い女性は口を手で隠してクスクス笑いをする。真剣に対応しなければならない時に、笑ってしまうとアメリカ人は困惑する。ごまかしていると勘違いされて信用も失いかねないので気をつけた方がよい。
ギフトについて
日本人らしく、日本流でという気持ちでギフトを選ぶことはとても良いことだが、日本の感覚をそのまま当てはめても、アメリカ人に理解してもらえないということもある。
何も理由がないのに贈り物をしてしまったり、異常に高価なものをあげたりすると相手を警戒させてしまうことがある。世界に共通する失礼のない気持ちの良いギフト交換のルールをあらかじめ理解しておくと良い。
【社内で】
米国ではお中元やお歳暮はない。個人主義の国のアメリカでは部下から上司への贈り物をゴマすりだと勘違いされる場合がある。逆に上司から部下へは日頃の感謝を込めた意味でクリスマスなどに小さな贈り物をすることがある。
【クライアント・取引先へ】
クリスマス、栄転、退職、転勤などにギフトを贈る際には、ワインやウィスキー、キャンディーやチョコレートなどが一般的。また自社のノベルティグッズなどもある。スポーツやコンサートなどのチケットも良く利用される。なかには企業のルールでギフトや、他社やクライアントからの受け渡しが禁止されていることもあるので、誰かに相談するなど十分に注意が必要。
【プライベート】
クリスマスや誕生日、結婚祝い、結婚記念日、出産祝い、新築祝い、引越祝い、病気見舞い、パーティーに招かれた時などが主なギフトを贈る場面である。
こういったイベントがない限り、あまりアメリカ人はギフトを贈ったりしない。何か理由がはっきりしない贈り物は困惑する。何かをしてもらった時などは、カードに気持ちを書いて送るというのが一般的となっている。
また、あまり高価なギフトは避けたい。現金を贈るという習慣はなく、その代わりギフトカードが多く利用される。ギフトカードはちょっとした感謝の気持ちを伝えたい時などにも活躍する。相手が良く利用するレストランやデパート、趣味などに合ったショップを選んで相手に喜ばれるギフトカードをあげると良い。様々なデザインのギフトカードを入れて専用の封筒(Gift Card Sleeves)やメッセージが書けるGift Card Hangersなどもカードショップに売られている。
また、今はモバイルギフトカードが多く利用されていることから、デジタルのギフトカードを贈る人もいる。Gyft (www.gyft.com)などの200店以上の小売店のモバイルギフトカードが簡単に購入できて相手に贈ることができるアプリもある。オンラインで気軽に贈り、受け取れるので利用する人が増えている。
渡す時
「つまらないものですが…」といったへりくだった言い方は避ける。
おすすめのひと言
- Here’s a little present for you.
- Guess what I bought you!
- Look what I have for you!
- I got you something. I hope you like it.
受け取る時
必ず貰ったらその場でラッピングを開ける。丁寧に開ける必要はなくビリビリと包み紙を破いても大丈夫。喜びの気持ちを少しオーバーに表現したほうがより相手にも感謝の気持ちが伝わりやすい。
- Thank you so much!
- That’s so kind!
- You shouldn’t have!
- Thank you! It’s beautiful.
- This is really touching. Thank you.
受け取った後
日本では普通にお返しを贈ることが一般的だが、アメリカではサンキューカードを送る、またはお礼を言うのが常識。
【Gift Registries】
結婚式やベビーシャワーなどで良く利用される「Gift Registries」。お祝いギフトは誰かと同じものが重なったり、あまり欲しくない、すでに持っているものだったりすることがある。こうしたことを避けるために、お祝いされる方がGift Registryを作成して出席者に配る。このGift Registryのサービスは百貨店や多くの店で提供している。Gift Registryのリストが送られてくるので、オンラインで商品を選ぶだけ。レジストリーの作成も登録も簡単にできる。
【ラッピング】
クリスマスなどのシーズン中はお店でもラッピングをしてくれるところがあるが、日本のようにお店が一年中ラッピングはしてくれないため、贈る側がすべて自分でやるのが一般的。時間がない、苦手だと思う人は、ラッピングサービス(Gift Wrapping Service)を専門に行っているお店などもあるので、そのようなところにすべてお願いしてしまうというのもひとつの手だ。近くのギフトカードショップやペーパー、ステーショナリーショップなどに問い合わせてみると良い。
【パーティーのお呼ばれ】
パーティーに呼ばれた時は手土産をホストに持参するのがエチケット。一般的なのがワインやチーズ、フルーツやお菓子、お花など。あまり相手の人に負担になるものなどは避けて手軽なものが良い。
【ギフト・レシート】
ギフトを購入した時に、忘れずにギフトレシートを貰うこと。ギフトを相手にあげるときにこのギフトレシートを一緒に袋や箱に入れて渡す。受け取った相手が返品する時にこのギフトレシートを使う。商品の交換・返品・ストアクレジットなどにできる。
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