ビザvisa

2023年ビザ最新情報


アメリカで合法的に働くために必要不可欠な就労ビザは、ますます取得が難しくなってきています。在米日系企業や日本人労働者が申請可能な就労ビザにはどのような種類があるのか、2023年最新ビザ情報です。

短期商用ビザ

短期商用目的で渡米する場合、B1商用ビザかビザ免除プログラム(通称ESTA)を利用することができます。B1やESTAの商用目的として認められる活動には会議参加、契約交渉、短期研修、修理技術者、投機的事業調査、新規事業設立、個人研究などが挙げられますが、いずれもアメリカ国内で報酬を得ることはできません。これらの滞在資格では、米国で製品を展示したり、契約交渉、製品受注や契約書に署名することはできますが、米国内で販売活動を行うことはできません。また、日本から搬入した商工業設備および機器の設置、運営、修理やサービスを行ったり、或いは現地社員の研修を行う場合は、これらのサービスを行うことが売買契約書に明記されていなければなりません。また、これら活動に対する報酬は日本の企業から支払われなければなりません。上記の活動が契約書に明記されていない場合、もしくは上記の活動範囲を超える活動を行う場合は、短期就労ビザが必要となります。

【ESTAビザ免除プログラム】

観光や出張を目的に短期間アメリカに滞在する場合、90日以内の短期滞在であればビザがなくてもESTAをオンラインで申請すれば、渡米できます。ESTAとは電子渡航認証システムのことで、米国入国前に米国政府が渡航者をあらかじめ審査するために作られたオンライン申請システムです。現在、ビザ免除プログラムに参加する38カ国の旅行者が申請できます。

ESTAは2年間有効ですが、特定の場合を除き、通常はアメリカ国内で滞在資格の変更や延長はできません。ESTAの一回の滞在期間は最長90日までなので、その期間を超えてアメリカに滞在することはできません。また、1年間に合計で180日以上ESTAで滞在することもできません。なお、過去にオーバーステイもしくは違反歴がある場合は、ESTAは利用できなくなるので注意が必要です。

【Bビザ】

一回の渡米で90日以上米国内に滞在する必要があれば、日本の米国大使館もしくは米国領事館でB1ビザ(短期商用ビザ)もしくはB2ビザ(観光ビザ)を申請しなければなりません。B1/B2ビザは日本の国籍保持者であれば一回に最長120ヶ月(10年)有効なビザ・スタンプが発給されます。B1/B2ビザが有効な間は、複数回米国に入国することができ、一回の滞在期間は、入国官の判断で通常90日から180日くらいもらえます。

B1/B2ビザは、ビザ・ウエイバーとは異なり、入国時に許された滞在期限を超えて滞在しなければならない正当な理由があり、米国外での雇用が続いていること、もしくは米国外に生活の根拠があることを証明すれば、アメリカ国内で滞在期限を延長することができます。また、アメリカ国内でB1/B2から他のビザ滞在資格に変更申請を提出することもできますが、入国後90日以内に滞在資格の変更を申請すると、入国時に目的を偽って入国したと疑われる可能性があるので注意が必要です。

注意点としては、ビザ・ウエイバーもB1/B2ビザも、出入国や長期滞在を頻繁に繰り返していれば、2〜3回目以降から就労目的の入国だと疑われ、入国を拒否されるか、次回は就労ビザを取得するよう忠告をうけることがあります。新規起業の為に渡米する人は、アメリカでの会社登記が終わり、事務所を構えたら速やかに就労ビザを申請する準備をした方が良いでしょう。

※短期滞在のビザはいずれも”移民の意思”を表すことが認められていないので、入国時には本国へ帰る意思があること、往復の航空券と旅行に十分な資金があることを証明する必要があります。

タグ: , , , , , , , , , , ,

大蔵 昌枝 弁護士

大蔵 昌枝 弁護士
所属
TAYLOR ENGLISH DUMA, LLP
肩書
パートナー
住所
1600 Parkwood Circle, Suite 200 Atlanta, GA 30339
TEL
678-426-4641(直通)
Email
mokura@taylorenglish.com
URL
https://www.taylorenglish.com/

1987年東京外国語大学中国語学科卒業。2002年サウス・カロライナ大学経営学大学院・ロースクール卒業。経営学修士号(MBA)・法学博士号(JD)取得。U.S. CPA試験合格。日本にて証券会社や製造会社の国際事業部の勤務を経て、現在はジョージア州アトランタ市のテイラー・イングリッシュ・ドゥマ法律事務所のパートナー。日本語、英語、中国語の3ヶ国語に精通し、日系情報誌やウェブサイトに移民法記事を多数掲載。

著書:アメリカの陪審制度と日本の裁判員制度―陪審制の発展と意義(エディックス出版、2011.2、大蔵著)
研究者・留学生のためのアメリカビザ取得完全マニュアル(羊土社、2018.12、大蔵著)