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水の硬度


水の分類のひとつとして、「軟水」や「硬水」といった硬度による分類がある。硬度は、水に含まれるカルシウム (Ca) やマグネシウム (Mg) の量により違ってくる。この違いは水が通る土壌や環境によって生まれるので、地域によって特徴がある。欧米のように石灰質の地域を長い時間かけて通ってくる水の硬度は高く、日本のように地中での滞留時間や河川延長が短い場合、硬度は低めになる。そのため、日本のほとんどの水は軟水になり、ヨーロッパや北米の水は硬水の地域が多い。

硬度は数値によって以下のとおりに分類されている。また、一般的においしい水は硬度10〜100とされている。

硬度の計算方法

硬度 [mg/l] =(カルシウム量 [mg/l] × 2.5) +(マグネシウム量 [mg/l] × 4.1)

硬水の特徴

メリット:西洋料理にマッチしており、肉の灰汁が出やすく、パスタにコシを与える。肩こりや眼精疲労の予防に有効。体内の疲労物質である乳酸を、硬水に含まれるミネラル成分が中和してくれる。硬水を飲むことで血管がしなやかになり、血液の巡りも良くなる。ダイエット効果や脳卒中予防が期待できる。

デメリット:味は独特の苦味、えぐみがあり、石けんや洗剤が泡立ちにくい。

全米の水の硬度分布図

軟水の特徴

メリット:胃腸にやさしく飲みやすい。お茶やだし汁、日本料理などに適している。水分が米に吸収されやすく、美味しいご飯が炊ける。また老廃物の排出がスムーズになったり、尿結石になりやすい人は、再発防止になるとも言われている。涙の分泌量が不足するドライアイでお悩みの方にも効果的といわれる。

デメリット:なし

日本の水道水の硬度は都道府県により違いはあるものの、平均50〜60程度の軟水となる。一方、米国では州による違いが大きく、東海岸・西海岸は軟水、中部は硬水となる傾向がある。ニューヨーク、サンフランシスコ、ヒューストンなどは日本と同じか低め、ロサンゼルス、ワシントン、トロント、シカゴ、オーランドなどは日本の関東地方と同じ程度である。内陸部のラスベガス、フェニックス、セドナ、グランドキャニオン、セントルイスなどの硬度は高め。 

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