生活living

アメリカのホリデーやイベントの由来とミニ知識


JULY

  • 独立記念日(Independence Day)
    7月4日
    独立戦争の最中であった1776年7月4日、母国イギリスに対して、植民地だったアメリカの独立宣言が読み上げられた。独立宣言の起草に当たっては、後に第3代の大統領になったトーマス・ジェファーソンが尽力した。多くのアメリカ人にとって独立記念日は重要な意味を持ち、最も敬意が払われている祝日の一つだ。特に決まった料理はないが、家族や友達同士が集まり、野外でバーベキューを楽しむのがポピュラーだ。缶ビール片手に花火を見て、まさに真夏の息抜きの一日となる。この日に花火をする人が多いが、地域によっては違法なので注意が必要。

SEPTEMBER

  • レイバーデー(Labor Day)
    9月 第1月曜日
    日本のメーデーに当たるもので労働者の祭典。100年以上前のニューヨークで、何人かの職人によって作られた労働組合が発端になり、1894年にナショナルホリデーとして正式に制定された。毎年恒例のニューヨークでのパレードは、それにさかのぼること1882年9月5日に始まり、現在も労働組合の団結力の強さを見せつけている。夏の終わりを告げる日でもあり、人々はその年最後のビーチを楽しんだり、バーベキューを行ったりする。
  • 愛国者の日(Patriot Day)
    9月11日
    2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件の犠牲者を追悼する日として、大統領が参加する式典が行われ、世界貿易センタービルにアメリカン航空機が衝突した午前8時46分に最初の黙とうが捧げられる。全米で半旗が掲揚され、各地で式典が行われるが、連邦の休日ではなく企業や学校は通常通り営業、授業が行われる。

OCTOBER

  • コロンブスデー(Columbus Day)
    10月 第2月曜日
    スペイン王室の援助を受けてアジア大陸を目指して航海をしていたイタリア人のクリストファー・コロンブスが、1492年10月12日にアメリカ大陸を発見、到着したことを祝う祝日。公共施設や学校等が休日になり、大規模なパレードを行う地域もあるが、ハワイ州、アラスカ州、オレゴン州などではコロンブスデーを認めていない。コロンブスを英雄ととらえる人々がいる一方で、奴隷商人でもあったコロンブスの到着により先住民は弾圧を受けたことから、毎年各地でこの日に先住民団体他が抗議行動を行っている。
  • MLB ワールドシリーズ(MLB World Series)
    10月下旬
    野球のメジャーリーグ(MLB)のアメリカンリーグ15球団とナショナルリーグ15球団でリーグ優勝し、チャンピオンシップシリーズを勝ち抜いた球団が、ワールドシリーズへ進出する。最大7試合で先に4勝した球団が優勝となる。
  • ハロウィーン(Halloween)
    10月31日
    今では「ハロウィーン=仮装パレード」の印象が強いが、もとはイギリスのケルト民族の伝統行事に由来する。ケルト民族の宗教によると、この日は大晦日に当たり、死者の魂と一緒に悪霊が家にやって来るとされた。そのため悪霊を追い払うべく、人々は恐ろしい仮面や衣装を着けて家の回りを練り歩いた。それが現在の仮装につながっている。また、ハロウィーンのシンボルとなっているパンプキンやほうきに乗った魔女は、ケルト文化独特のものだ。この日は子供達が大好きな祝日。可愛らしい仮装をした子供達がパンプキンの形をしたかごを下げ、「Trick or treat(お菓子をくれないといたずらするぞ)」とご近所を回ってお菓子を集めるのが習慣だ。子供達中心のパーティーがあちらこちらで開かれ、パンプキンパイやアップルサイダー、キャラメルでコーティングしたりんごなどでお祝いする。

NOVEMBER

  • 選挙の日(Election Day)
    11月第一月曜日の翌日(2~8日)火曜日
    地方、国政選挙が行われる日。1800年代の米国では国民の多くは農業で投票所から離れた土地に住んでいたため投票には2日間が必要であった。日曜日に教会に行き、月曜日に移動して火曜日に投票し、水曜日に市場に行くことから火曜日が最適で、農家が種まき、収穫を終えて冬が来る前の11月の火曜日が選挙の日となった。米国大統領選挙は4年ごとに行われる他、州知事、市長、議員の選挙もこの日に投票される。
  • ベテランズ・デー(Veterans Day)
    11月11日
    「ベテランズ・デー」は第一次世界大戦の終戦記念日だ。「ベテラン」とは退役軍人のことで、この祝日は当時の軍人達を記念する意味がある。第一次大戦が終結したのは1918年11月11日のことで、それまで4年間の長い戦いが続いていた。この日はテレビのニュースなどでも式典が放送されるが、バージニア州のアーリントン墓地に大統領または大統領代理が出向き、戦没者の墓に花と黙とうが捧げられる。アメリカの祝日はほとんど月曜日に振り替えられて連休になるが、ベテランズ・デーは例外的に、実際の終戦日が祝日として守られている。
  • サンクスギビング(Thanksgiving Day)
    11月第4木曜日
    この連休が近づくと「サンクスギビングにはターキーを焼くの?」があいさつ代わりになっているが、実はこの祝日の背景には初期の入植者達の苦労がある。1620年冬、マサチューセッツ州プリマスにたどり着いたイギリスからの清教徒達は、食料不足で約半分が命を落としてしまった。しかし翌年は、原住民のインディアンの協力を得て、七面鳥ととうもろこしの収穫に成功。苦労を乗り越えた清教徒達は、インディアンと神の恵みに感謝して、収穫物でお祝いを行ったのが始まりとなっている。この日は日本でいうお正月のようなもので、家族や親戚が遠くから集まって食卓を共にする。食前酒はアップルサイダーにウイスキーやブランデーなどを加えたホットトディー。メインデッシュはもちろんローストターキー。甘酸っぱいクランベリーソースをかけて、スタッフィング(詰め物)を添えて出す。ターキーの肉が淡泊すぎるという人はグレービーソースをかけて。付け合わせはマッシュポテト、マカロニ&チーズ、ヤム芋の煮物など。デザートのパンプキンパイやキャロットケーキで締めくくる。

 DECEMBER

  • クリスマス(Christmas Day)
    12月25日
    イブの夜にはどこの教会でもミサが行われ、普段は教会に足を運ばない人でも、この日ばかりは家族そろって出掛け、クリスマスキャロルを歌ってキリストの誕生を祝う。クリスマス当日も人々は午前中から礼拝に出掛け、その後家族とともにクリスマスディナーを楽しむ。メニューはサンクスギビングと似ていて、ローストチキンやターキー、またはハムのクランベリー添え。付け合わせはスイートポテトやゆで野菜、デザートはフルーツケーキ、レーズン入りプディング、ミンスパイ(細かく切ったレーズンやりんごのパイ)など。特に伝統にはこだわらないで、各家庭で趣向を凝らしているものが多い。また卵にクリーム、ナツメグ、砂糖を混ぜたエッグノッグという飲み物もよく飲まれる。現在アメリカには、約600万人のユダヤ人と、ほぼ同数のイスラム教徒がいると言われている。
  • クワンザ(Kwanzaa)
    12月26日−1月1日
    アメリカ人のアフリカ研究者マウラナ・カレンガがアフリカの収穫祭等をもとに提唱し、1966年に米国で始まったアフリカ系アメリカ人の祭日。クワンザの7つの原則を象徴する赤、黒、緑の7本のキャンドルを1日1本ずつ点灯する。クリスマスと共に祝う家庭もある。移民の国アメリカには様々な宗教があり、年末は様々な祝日が祝われる時期なのでホリデーシーズンと呼ばれる。キリスト教はMerry Christmas、ユダヤ教はHappy HanukkahまたクワンザのあいさつはJoyous Kwanzaaだが、相手の宗教が分からないことも多いのでHappy Holidays!と言えば間違いない。この時期に親しい人にカードを送る習慣があるが、キリスト教以外の人に「Merry Christmas」のカードを送ってしまわないように気をつけたい。
  • ハヌカ(Hanukkah)
    12月7日ー12月15日(2023年)
    12月8日ー12月15日(2024年)
    ユダヤ教の祭日。紀元前165年、当時ユダヤの地はシリアに征服され、異教信仰を強要された。しかし、その3年後にユダヤ人はついにシリア軍を打ち負かし、エルサレムの神殿を奪回した。この時にともした神聖なランプは、1日分の油しかなかったにもかかわらず、8日間も燃え続けたという。この奇跡を祝うのがハヌカで、「光の祭典」とも「神殿の奉納の祭り」とも呼ばれている。
  • ニューイヤーズイブ(New Year’s Eve)
    12月31日
    大掃除をしたり、近所の神社やお寺に出向いて、静かに新年の抱負を誓う日本のスタイルと違って、飲めや踊れやの大騒ぎをして年を越すのがアメリカ流。毎年恒例のニューヨーク、タイムズスクエアで行われるカウントダウンは、人々の熱気であふれ返る。

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