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『ティール組織』に見る新しい時代のマネジメント


組織改革は5つの色のどこにいるかを知ることから

業務関連グループウェアを開発するサイボウズ株式会社では、働き方の多様化に合わせて「100人100通りの働き方」という人事制度の方針を打ち出し、様々な改革に取り組みながら、より良い職場環境の実現を目指している。これまで同社が取り組んできた人事制度改革に触れながら、現代の職場の主役として台頭するミレニアル世代が働きたい組織の作り方、その組織マネジメント法について考える。

信頼で結びつく自由なティール

サイボウズ株式会社副社長、兼サイボウズ米国法人社長の山田理さんが注目したのは、世界で40万部を売り上げる「ティール組織」という一冊の本。読み進めていくうちに、これまでサイボウズで実践してきたこととの類似性に驚き、益々その内容に興味を引かれたという。著者フレデリック・ラルー氏によれば、組織マネジメントの手法はレッド、アンバー、オレンジ、グリーン、ティールの5色で表現することができ、今後の組織づくりは「ティール」という領域へと進んでいくという。

  • レッド(狼の群れ):力による支配。殴る蹴る、恐れ、脅迫など恐怖と力で組織を動かしていく獣の世界。
  • アンバー(軍隊組織):長期的な展望があるが、基本的には上意下達で、厳格な階級に基づくヒエラルキーがある。有無を言わさない軍隊の世界。
  • オレンジ(機械):イノベーションを起こす多角的マネジメント。社員と従業員のヒエラルキーは存在し、長期的展望という目標に向かって長期計画案を作る。従業員は駒でありパーツ。いかに合理化・効率化を進めて利益を上げていくか。軍隊との違いは出世や賞与などのインセンティブが付加される機械的な世界。
  • グリーン(家族):社員の多様性を尊重する。ヒエラルキーは残るが、従業員をメンバーやキャスト、クルーと呼び、より一体感や親近感を持つ家族の世界。
  • ティール(ヒエラルキーがなく、信頼で結びつく関係):支持・命令系統もない。これをやりたいという人が自らの意思で集まり、やりたくなくなれば解散する自由な世界。

現在、ティールを実現している組織は少ないが、著者が見てきたティール組織には以下3つの共通項があるという。1. セルフマネジメントが機能している構造。情報が透明化され、意思決定、権限委譲がされている。人事プロセスも明確。色々なプロセスが明確で、公明正大なスタイル。2. 全体性。一人ひとりが能力を最大限発揮し、不安や弱さに寄り添える心理的安心性。安心安全が確保されているチームであること。3. チームの目的や理想が明確で、世の中の流れに合わせて進化していること。

進化する組織

「ここで言いたいのは、組織は進化してきているのではないかということ。大事なのは、組織には5種類の色があり、自分たちがどこにいるかを認識すべきだということ。そして、世の中の流れとしては、今後レッドからティールという方向に確実に向かって行くだろうということを理解すべきということです」と山田さんは力説する。こうした理解の上で、今はティールの方向へ向かっていない組織でも、やれることがたくさんあるのではないか。「一人ひとりが平等で、他人との違いを認め合いながら共存していくことが大切なのです。ティールが正しい組織とは言いません。しかし、今与えられている権利を行使していくだけでも、より良い組織へと変わっていくことは間違いないと思います。どんな小さなことでも、残業をしない姿勢でも、有休消化でも、自分が勇気を出して少し動き出せば、それが働き方改革へと繋がるはずです」と山田さんは言う。

インターネットの登場で時代は大きく変わった。これからの時代のマネジメントに必要なものは『ありのまま』だと山田さんは説く。取り繕うのではなくオープンにすること。その人の個性を認識して、その形がどこにはまっていくのかを見極め、認めていく。「これからの若い世代はお金じゃない。それは皆さんも薄々気づいているはずです。いいことをして認めてもらいたいのです。彼らのモチベーションをどう作ってやるか。これがきっと一番大切なのだと思います。必要なのは『制度』だけでなく、制度、風土、カルチャーの3つ。これら3つがしっかり噛み合って初めて、会社や組織が変わっていくのだと思います」と話を締めくくった。

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