教育education

アメリカの教育システム


学校に慣れるためのユニークなイベントの一例

● クレイジーソックスまたはクレイジーヘアデー
学校にクレイジーソックスやクレイジーヘアで登校し、緊張感をほぐすイベント。教師や職員も参加する。

● パジャマデー
その名の通り、パジャマで登校する日。PJデーとも呼ばれる。教師や職員も参加する。

● スターオブザウィーク(プリK、幼稚園)
毎週、クラスの一人をスターオブザウィークと決め、自分のことをよく知ってもらう為の紹介ボードを自宅で家族と作成し、学校で発表する。この際は必ず父母のどちらかも同伴する。例えば、名前の由来や、家族構成、好きな食べ物や好きな色、家族写真などもボードにはり、発表する。これは子供や家族のことをお互いよく知る機会として、また子供が大勢の前で話す初めての機会とするためである。

その他、学校や教師のアイディアで学校に慣れる為のさまざまなイベントが行われる。

● ペアレントティーチャーカンフェレンス
担任の先生と保護者の個人面談が通常10月頃と1〜3月頃の年2回行われる。成果や目標を話し合う場とする。

● ハロウィーンパレード
ハロウィーンの日(10月31日)などに、学校に仮装して登校し、全学年、学校中をパレードし、トリックオアトリートを行う学校もある。コスチュームコンテストなども同時に実施され、大人も子供も楽しめるイベントとなっている。希望すれば父母もパレードに参加できるので、幼稚園や低学年の父母は参加する事が多い。最近では、過剰なコスチュームの禁止、または別途イベントを企画するところも増えている。学校によっては、コスチュームでの登校を禁止しているところもあるので注意が必要。

● ブックフェア
11月はChildren’s Book Councilによるブックウィークがあり、学校によってはブックフェアやLiterature Nightが行われる。

● サンクスギビングパーティー
感謝祭は、アメリカ人が最も大切にしている祝日の1つで、11月の最終木曜日がThanksgiving Dayとして学校は休みになる。低学年のクラスでは11月に感謝祭について学ぶが、感謝祭のパーティーをクラスで行うこともある。家から食べ物を持ち寄り、その日は感謝祭にちなんだゲームなどを楽しんだりする。

● ホリデーパーティー
年末年始の休みに入る前に食べ物を持ち寄って、授業時間中にパーティーをすることがある。クリスマスパーティーと言う学校もあるが、ホリデーパーティーやEnd of Year Partyと呼ぶ学校も多い。クリスマスは、キリスト教の宗教行事なので、様々な宗教の人が住んでいる地域では注意が必要。先生にホリデーカード(クリスマスカード)やプレゼントを渡す人も多い。

● フィールドトリップ
低学年は保護者同伴であることが多い。博物館や動物園などへのフィールドトリップが行われる。

● バレンタインデー
バレンタインデーは先生とクラスメート全員にカードとキャンディ(チョコ、グミ、アメ、お菓子全般。アレルギーがある子を考慮して鉛筆などの物にする親もいる)を送る習慣がある。カードを手作りするなど家族との団らんの時間を持つ目的もある。

スーパーなどの量販店ではカードとキャンディがセットになったものがバレンタインの時期に合わせて販売される。先生にはお花など、ちょっとしたプレゼントを用意する親もいる。

● グラウンドホッグデー
グラウンドホッグ(ウッドチャック)が影を見ると冬が終わるという言い伝えを学び、長い冬が終わり春が始まる喜びを祝う。2月の初めごろ。

● ドクタースースデー(Dr. Seuss Day)
3月2日はアメリカの人気絵本作家ドクタースースの誕生日で、全米でドクタースースの本を読んだりするイベントが開かれる。ドクタースースの絵本はフォニックスを楽しみながら読むことができるThe Cat in the Hatなどがあり、特にキンダーガーテンや一年生では副教材として使われることが多い。

● セントパトリックデー
アイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックの祝日で、毎年3月17日に行われる。カトリックの祭日で、アイルランド系住民が多い地域ではパレードなどを行い盛大に祝う。緑を使った食べ物を食べたり、緑色の物を身につけたりする。また、この日にちなんだ工作をしたりする。

● Teacher Appreciation Week(5月)
先生の功労に敬意を表する行事。PTA主催で行われる事も多い。お世話になっている先生に感謝の気持ちを表してカードやプレゼントなどを贈るのも良い。

● 学校での誕生会
保育園、幼稚園、小学校の場合、誕生日には自分でバースデーケーキやカップケーキなどを学校に持参することが多い。親がクラスに持参し、一緒にお祝いすることもある。子供にケーキなどを持たせたい場合は、必ず事前にクラスの先生に連絡をすること。(学校にお菓子を持って行くのは禁止の為)

● クラスからの指定図書
プリKや幼稚園では、週ごとや月ごとにチャプターブックと呼ばれる簡単な図書がクラスから貸し出される。小さな薄い本を自分のリーディングレベルに合わせて、ほぼ毎日読むことになり、家庭でも読書の習慣がつくようにとの目的で行われている。アメリカでは、学校、自治体、家庭の3つが一体となって教育をするという考え方があるため、家庭での協力もとても重要になっている。

● 連絡帳、先生からのノート
学校の先生により連絡の仕方は違う。バックパックや連絡帳は毎日確認する。

保護者との連絡にeメールを使う学校や先生も多い。

子供の成長に合わせた教育システム
プリ・キンダーガーテンの役目

 アメリカでは地域・州によって教育システムが様々であり、また日本とは学校の分類方法・クラスの名称・システムが異なるので、入園の1年以上前から周辺の学校を調べておくと良い。

 特に幼児期教育の最初となる2歳児を対象とするプレ・ナーサリーと4〜5歳児対象のプリ・キンダーガーテンはすべての園や学校にあるクラスではないので注意したい。

 2歳児を対象とするプレナーサリーは、プリスクールに入園する前の準備クラス。園により名称は様々で、「Two’s Program」や「Play Care」などがある。デイケアー(Daycare Center 141ページ参照)とは違って、働いている両親を持つ子供を主な対象にしていないケースがほとんどであるため、コースは半日以下のものが多い。入園対象は、入園時点で1歳8ヶ月〜満2歳になる幼児。(1歳8ヶ月とするのは、入園した年の12月末日までに満2歳になる子供は入園可能とする園が多いため。ただし、州や地域、園によって基準が異なるので注意する)

 次にプリKと呼ばれるプリ・キンダーガーテン。一般的には4歳児対象とされているが、3歳児・4歳児を入園対象にするナーサリーと年齢が重なっていることになる。園内にナーサリーとキンダーガーテンがある場合、このプリKはなく3〜4歳児のキンダーガーテンとなる。パブリックスクールではキンダーガーテンは小学校に併設されていて、入園前の準備として、4歳児対象のプリKがあることが多い。

 また、2〜5歳児までを対象とする園(ナーサリー)では、4〜5歳児の子供をプリKのクラスで受け入れる場合もある。つまりプリKは、ナーサリーとキンダーガーテンの間にあるクッションのようなものと理解すると分かりやすい。入園対象が同年1年プラス3ヶ月の間に誕生日を迎える子供となるため、キンダーガーテン入園時点で満5歳になっている子供と4歳8ヶ月の子供がおり、その年齢差によって成長にも差がある。そこで、キンダーガーテンに入園できる年齢の子供でもプリKでもう1年準備するほうが良いと親や教師が判断することがある。

 日本人子弟は言葉の問題はもちろんのこと、新しい環境に慣れるまでに時間を要することも考慮し、学習が始まるキンダーガーテンの前にある「クッション的役割のプリK」を活用して、子供の成長に合った学校選びを基本とするアメリカの教育システムに準じた幼児教育を施していきたい。

アメリカの学校生活ミニ知識

  • 学校時間帯(School Hours)
    学校によって異なるが、小学校は一般に、午前8時15分頃から午後2時35分頃まで。高校生になると、履修している科目によって始業、終業時間が異なる。
  • 通学方法(Transportation)
  •  バス通学:バスは自宅近くか、場所によっては自宅の目の前まで迎えに来てくれることもある。しかし、ルートによっては学校に着くまでかなりの時間がかかるので、小さな児童にはつらいこともある。(例えば、学校は朝8時半からでも、バスが迎えにくるのは6時半~7時など。)他の生徒と触れ合い、学校生活に慣れるという目的でスクールバス通学を勧める先生もいる。
     自転車通学:自転車は必ず指定された場所に止めて、鍵をかける。走行中はヘルメットを使用する。事前に自転車通学の可否を学校に確認すること。
  • 履修登録(Course Registration)
    学校によっては、年度が始まる前に履修登録をする。科目の選択は夏休み中、あるいはそれ以前に配布される科目説明のハンドブックを参考に、卒業の必要単位を満たすように選択し、指定の日時に登校し、登録する。
  • 携帯電話
    学校への持ち込みの可否を確認する。各校で様々な規則があるので、それに従う。
  • 昼食(Lunch)
    ランチの内容は、ピザやスパゲティー、サンドイッチなど、日本の学校給食とはかなり異なる。必ず野菜は給食に含まれているが、大抵はサラダか温野菜。食べない子も多く、たくさんの食材を簡単にゴミ箱に捨ててしまい、それを学校でもさほど注意はしないので、かなり食品を無駄にしているように見える。学校によっては、アレルギーへの配慮から、ナッツ類の持ち込みを禁止している場合があるので、ランチを自宅から持っていく場合は確認すること。
    飲み物はジュース、水、ミルクまたはチョコレートミルクが配布される。給食当番制を取り入れる学校もある。また、朝食を学校で食べることもできる。
  • ロッカー(Locker)
    ロッカーがある場合は、新学年の始めに各自のロッカーと鍵のコンビネーション番号が与えられる(2人で使用することもある)。コンビネーション番号を忘れた場合は事務室に尋ねる。学校によっては使用時間帯を指定しているところもある。番号は絶対に他の人には教えないこと。
  • 本の紛失(Lost Books)
    教科書や図書館の本をなくした場合は、代わりを自費で購入して返すか定価を支払う。

ニューヨーク育英学園
サマー/ウインタープログラム

ニューヨーク育英学園では、毎年サマー /ウインタープログラムを開催している。2023年のサマースクール は41回目となる。プログラ ムには、幼児部/小学部サマースクール、宿泊キャンプ、野球キャンプ、い ろはにほんご教室、そして英語の語学スクールなど、最高の夏の思い出が作れるプログラムを開催予定。ウインタープログラムは例年、日帰りのスキー教室そし て宿泊スキーキャンプなどで構成されている。

幼児部のサマーでは、異年齢の縦割り保育を取 り入れて、年少児から年長児がお互いに助けあい、協力できるようなクラス編制を行っている。また年長児には本格的な水泳の指導を行う。小学部サマーでも低学年と高学年グループに分け、縦割りクラス編制を組み、自立心やリーダーシップの育成を目的としている。主な活動として、毎日の水泳教室、理科実験、クッキング、フィールドトリップ、そして言葉の学習のクラスと充実している。15日間にわたる宿泊キャンプは、ペンシルバ ニアの自然豊かな湖の畔にあるキャンプ場の同学園専用キャビンで行われる。

野球キャンプは、サマースクールの放課後1時間半を野球に集中し、「投げる」「捕る」「打つ」「走る」といった基本動作を含む体力作りや、実践練習まで同学園野球部コーチが指導する。いろはにほんご教室は、それぞれのニーズに合う個に応じた「にほんご教室」になっている。冬のスキーキャンプは、同学園のスキー指導の経験豊富なスタッフが引率する。

各プログラムは当学園在籍者でなくとも参加できる。サマースクールの一般申し込み開始は3月中旬、スキーキャンプ・日帰りスキーの申し込みは9月末から開始となる。各プログラムの詳細については学園HP を参照。

ニューヨーク育英学園
8 West Bayview Avenue, Englewood Cliffs, NJ 07632
Tel: 201-947-4832 / Fax: 201-944-3680
www.japaneseschool.org

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