教育education

アメリカの教育システム


【日米教育形態の違い】

Middle School以降

授業・クラス編成

日本は中学校も高校も担任制で、生徒のクラスが決められている。そのクラスへ担任教師・各教科の教師が来て授業を受ける。一方、アメリカでは日本のような職員室がなく、各教師がそれぞれ決められた自分の教室を持っている。生徒は自分のカリキュラムに沿って、決められた担当教師の教室に移動して授業を受ける。生徒達の授業を受ける姿勢も異なる。日本の場合、授業中に自らの意見を述べるという場面は少ないが、アメリカの授業では率先して自分の意見を述べるなど「クラス参加」の積極的な姿勢を重要視している。

多くのアメリカの学校では、能力別にクラス編成が行われる。キンダーガーテンなどでは、一斉授業というかたちをとるが、小学校以上になると「英才教育(Education for Gifted and Talented Children)」や「障害児のためのクラス(Education for Challenged Children)」のような特別クラスが設けられている。また成績のよい科目のみ、上の学年に参加する生徒もいる。クラス内で各自の進度に合わせて、それぞれに課題を与える「進度別編成」もある。

アメリカでも授業の始まりに出席を取る(to have a roll call)が、男女混合で姓のアルファベット順に呼ばれる。名前を呼ばれたら「Here」または「Present」と答える。また教師を呼ぶときには、「Mr.(Ms.)McDonald」と教師の名字に敬称を付ける。クラス名を指す時も「Mr.(Ms.)McDonald’s Class」というように教師の名前で表現する。ホームルームの教室番号がクラス名の場合もある。

新学年が始まる時期は州や地域によって異なる。7月の下旬から始まる学校もあれば、9月のレイバーデーが終わってから始まる学校もある。同じ地域でも、学校区や学校により始まる日が異なることもある。休日なども各学校によって異なる場合があるので、注意する(例えば、8月の終わりから新学期がスタートする学校区のすぐ隣の地区では9月のレイバーデー後にスタートしたり、冬休みや春休みの長さや時期も学校区によって違う)。また、2学期制(Semester)の学校と3学期制(Term/Trimester)の学校がある。

教科書

日本のように要点のみをまとめた教科書と違い、アメリカのそれは詳しく説明されているため大きく、厚く、重い。

教科書は学校から貸し出されることが多く、公共備品扱いとしての様々な制約があるので注意する。破損、紛失の場合、罰金や代金支払いの対象となる。学区によっては、古い教科書を販売しているところもある。

教科書を使用しない授業も多い。学校や教科ごとのウェブサイトなどで教材プリントなどをダウンロードし、宿題やレポートもオンラインで提出するなど、ウェブベースの教材の使用が多くなっている。

COVID-19のパンデミック以降、オンライン学習が更に広がっており、コンピューターとインターネットへのアクセスが不可欠になっている。授業に必要な機器が用意できない場合、学校また教育委員会から貸与される場合があるので、学校に相談する。

【規則】

服装に関する規則

服装やおしゃれは個人的なことであり、学校の関与すべきことではないという観念から、生徒自身や親の意思に任されるべきことと考えられている。ただし、最近は学習態度と服装の関係を見直す傾向があり、ドレスコード(Dress Code)を決めている教育局や学校が多い。肌の露出が多い服や、政治的なスローガンが印刷された服の着用が禁止されている場合があるので、確認すること。必ずしも全員同じ制服ではなくても上着はボタンダウンのシャツや、ポロシャツ(色も決められていることがある)、下はチノパンツやスラックスなどと決められている場合もある。

私立学校の多くは制服がある。また、指定の制服がない場合は、服装の規定をドレスコードとして示している。学校によっては、ドレスアップの日を設けたり、ダンスパーティーやホリデーパーティーなどを学校で催し、社交術としてのドレスアップを体験する機会を与えている。

出席・遅刻に関する規則

出欠の規定は各学年の単位認定や進級、進学にかかわる重要な規則の一つである。各州では「義務教育学校出席法」を設定し、保護者・生徒はそれに従う義務があるとしている。各学校はこの法律に基づき、具体的な出席・遅刻に関する規則を定めている。

容認欠席(Excused)
以下に挙げるような理由による規定に則す欠席。

  • 生徒が病気の場合
  • 生徒(または家族)が伝染病の場合
  • 家族、親戚、親友の死去
  • 法的な手続きをしなければならない場合
  • 校長が許可した特別活動に参加
  • 出席停止期間中
  • 家出などにより生徒が行方不明の期間
  • 生徒が自分の子供の世話をする場合
  • 信仰する宗教上の理由など

非容認欠席(Unexcused)
上記の容認欠席に該当しない欠席は「非容認欠席」とみなされ、単位認定にかかわる。また、無断欠席や保護者から欠席理由が提出されない場合なども非容認欠席扱いとなる。特別プログラムなどは採用人数枠があるため、出席日数や出席率を満たさなければ除籍される場合もあるので、注意すること。

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